麻布学園

理部線班

電子工作やってます。

お知らせ

2022年度回路図集をアップロードしました

物理部無線班とは

麻布学園サークル連合に所属する、ロボットやゲームの製作などの電子工作を主な活動とする部活です。通称「物無(ぶつむ)」と呼ばれています。

普段の活動について

1929年設立の自然科学研究会から続く、伝統ある部活です。

物無の歴史について

毎年行われる文化祭で一年の活動の成果を発表しています。部員の製作物を中心に電子工作体験や、部員が手作りした簡単なゲーム機の販売などをしています。

文化祭での活動について

私たちの製作物についてより詳しく知ってもらうために、毎年文化祭で、活動の成果などを記した回路図集と呼ばれるものを販売しています。

製作物や回路図について

他校の物理部とは一味違います

麻布学園物理部無線班は、他にはない、非常に特徴的な部活だと言えるでしょう。物無を物無たらしめているその特徴は、製作以外の活動で顕著に現れています。

文化祭の後の、6月から9月までの「夏期間」と呼ばれる期間は、物無は文化祭に向けての製作はほとんどしません。その代わり、スポーツ、トランプ、ボードゲーム、筋トレ、後輩への講習などをして、部員間の親睦を深めたり、製作に備えたりしています。合宿では毎日山登りやスポーツ、自炊などをしています。天気のいい休日などに部員で集まってスポーツなどのイベントをすることもあります。

2013年までは、毎日昼休みに外でバレーボールをしていました。麻布生の間では「物無といえばバレーボール」と言われることすらあります。新体育館建設によりバレーコートが使用できなくなったため中断されていましたが、再開されました。

もちろん、メインの活動は電子工作です。2学期から文化祭までの間、部員が各々作りたいものを作ります。ユニークな形のロボットを作る人、液晶を動かしてゲームを作る人、高性能マイコンを使って様々な端末を作る人。作品のアイデアを、9月の始めに企画書にして提出します。

こういったもののほとんどは文化祭で展示されるのですが、時には外部の大会に出すものを作る場合もあります。

年々部員の技術は多様化していて、無線通信を始めとする様々な通信方法や、PICシリーズに始まる様々なマイコンなどを使った、既存の電子工作の枠に囚われないものが作られています。

毎年、無線試験の受験や部内での講習、先輩後輩で協力して製作するなどして次の世代に技術を受け継いでいます。高学年になるほど、新しいことに挑戦するために新しい技術を学んだり、新しい方法を検討して、より高度なことができるようになっていきます。

学校のある日は、ほぼ毎日理科棟3階の物理大実験室で活動しています。

作品を見る

歴史ある部活です

物理部無線班は、麻布学園の中でも有数の長い歴史を持つ部活です。その歴史は麻布学園百年史である「麻布学園の100年」で詳しく書かれているので、抜粋を掲載したいと思います。

物理部無線班の歴史は1929(昭和4)年から活動していた自然科学研究会に始まる。 これは後に改称して理化学研究部となり、このうちの電気・機械・無線工学班が現在の部の活動につながっている。
やがてこれがほかの班を含んで物理部として再編され、戦後さらにその一部門が独立して現在に至るのであり、クラブ名はその名残をとどめている。自然科学研究会の物理製作的な面の活動を見てみると、工場などの見学と並行して、1932(昭和7)年9月以来、年に数回の割合で研究発表会を開いており、そこでヨットの帆や無軌道電車、ロケットやグライダーについてのものなどの発表が見られる。
また1933(昭和8)年10月からは製作品展示会を開催し、精巧な機械などを公開している。

理科学研究部、そして理科学部と改称した後の戦時中には、無線・物理・天文・気象・化学・博物・その他の班で部員100名の大所帯を成していたこともあった。戦後になって、1950(昭和25)年9月10日開催の第4回文化祭プログラムでは「自然科学部無線班」としての案内が、ほか五班(生物・化学・電気・物理・天文)と並んで見受けられ、ここでラジオや真空管の製造行程図などの展示が行われている。翌51(昭和26年)年9月29・30日開催の第五回文化祭プログラムでは物理部として、無線と並んで物理・天文の展示も行っている。このころに物理部は無線・物理・天文の各班をもっており、56(昭和31)年5月19・20日開催の第8回文化祭プログラムでは航空班の名さえ見られる。このとき無線班は一室を使って無線局の説明および実演、通信実験や光電管装置の説明などの展示をしている。

1962(昭和37)年の学園新聞51号によると、無線班には当時アマチュア無線の操作資格をももつものが11名いて、毎年2回の国家試験に備えて講習を行っているという。文化祭では、無線のデモンストレーションをし、今後の活動として海外とも交信することを予定していた。活動は無線のみに限らず、ステレオ装置を組み立てて音楽を楽しんだり、電子管やトランジスタを利用したいろいろな装置(電子オルガン、来客報知器)などを作ったり、ラジコン装置の改良をしたりもしている。部は時代によって興味の対象を変えるが、総じてアマチュア無線および電気一般に興味を持つ者の集まりであった。とはいえ当時の活動の中心はやはり無線である。普段から無線工学や電波法規について学ぶなどもしており、毎年10回ほど行われるアマチュア無線コンテストでは常に一、二位を争っている。

1963(昭和38)年5月4・5日開催の第一五書い文化祭では教室でステレオコンサート、また小講堂で映画上映の催しをしており、よく64(昭和39)年5月2・3日開催の文化祭ではラジコンカーの実演をしている。そしてこの頃から次第に、文化祭に屋上での公開交信などがあるものの、活動の重点が無線より、エレクトロニクス全般にわたっての研究と製作に移る傾向がみられる。1965(昭和40)年5月の第一七回文化祭では初の受賞(校外者賞)を果たした。当時の部員は高校24名、中学25名の大所帯であった。中三以上は全員アマチュア無線技士の国家試験にパス、免許を持っていた。

文化祭に参加するほかに、夏には無線装置を山中湖へ運んで合宿、交信およびトランシーバーを使った無線の野外活動をし、秋の運動会には放送部員としてテープ編集、アンプ、スピーカーの整備などに協力、また生徒会、各部が講堂で催し物をするときには放送設備を提供している。新しい試みとしては、個人ではできないような巨大コンクリート製ホーンスピーカーを製作し、1966(昭41)年の第18回文化祭でステレオ放置として発表したり、学校の実験機器を借りてのラジコン、エレクトロニクスの制作実験などをしたりしている。このステレオ装置を使った展示は年々規模を大きくし、一時的にオーディオ部門をつくるまでになっている。一方この60年代に入って通産省より譲り受けたものから製作したコンピューター「AZABAC」を皮切りに、ビックプロジェクトが始まる。このコンピューターは1971(昭46)年10月の文化祭で第1回中間発表と題して公開されていた。ただしこれには、「1 + 1 = 2」と出た途端に故障した、というエピソードがあるという。

ちなみにこの時期の文化祭プログラムには「物理研究会」なるものが存在がみられ、かつての物理部物理班が消滅したのちの別組織と推測される。70年代に入り、1973(昭和48)年10月には当時中三の古関義幸(昭50卒)が、シンセサイザー制作の端緒を開く。ミュージックシンセサイザーの始祖、ロバート・A・モーグ博士の来日を折に、彼は僅かな構成図を頼りに製作をしたシンセサイザーをもって会見した。当時は「楽器のシンセサイザー」は一般にあまり知れておらず、博士は非常に感激して自分の開発した「モーグ・スリー」のシンセサイザー回路の特許部分まで見せてくれたという。古関の持参したものは、翌年1974(昭和49)年の文化祭で音を出したが、古関個人の私物であったので、以後ほとんど人目に触れていない。無線班製作のシンセサイザー第一号は当時高二の平田圭二(昭52卒)の設計でさらに次の年、1975(昭和50)年の文化祭で発表された。なお製作は1978(昭和53)時点での第四号をもってその終止符を打っている。

80年代になるとその活動は「無線班」と名のるものの、様々な電子機器を自ら設計・制作することが主になる。テレビカメラ、レーザー、音声合成装置などを設計から製作まで手がけ、NHK教育テレビの取材を受けてもいる(昭和56年5月21日放映、ジュニア文化シリーズ「サイエンス・リーダー」)。この番組の幕切れにはNHKのスタジオに無線班自作の機械が持ち込まれ、マイコンを使いレーザーで「ぶつりぶ」と鮮やかに描いてみせ、好評を博した。また同年の文化祭では同じく部員が設計・製作した、レーザー光線によるスクリーンディスプレイやマイクロコンピューターによる画像処理などを展示し、最優秀展示賞を受賞している。現在の活動はこのほかに、中学生部員を対象としたIC回路についての講習、また部員間の親睦を目的とした夏合宿などを行っており、9月頃から翌年春の文化祭の準備を始めている。ここではグループ及び個人での自由製作展示をしており例年高い評価を得ている。

「麻布学園の100年」より

作る楽しさを肌で感じてください

物理部無線班は部活の展示として毎年文化祭に出ています。物無の展示は、研究展示大賞やグランプリである展示大賞をしばしば受賞していて、最も人気のある展示の一つとなっています。

部員の作ったロボットやゲームなどが展示の中心となっていて、ほとんどの制作物は実際に遊んだり操作していただけます。

物無の展示は見るだけではありません。電子工作体験や、簡単なゲーム機の販売などもしています。

文化祭について

あなたも電子工作!

毎年文化祭で、部員の制作物の詳細や解説などを収録した「回路図集」というものを販売しています。

ブログなどでも作品の概要など、電子工作を始めとする色々な情報を発信していく予定です。

詳細を見る

最後に

麻布学園物理部無線班のサイトは全て部員の手で一から作られています。このサイトをシェアしていただけるととても嬉しいです。また、公式Twitterや、ブログなどで最新の情報をチェックできます。そしてぜひ実際に麻布学園の文化祭等に足を運んでみてください。